鬱状態脳の中で何が起こっているのか

鬱病・鬱状態の症状が出る時、脳の中では神経伝達物質のモノアミン類の影響で脳の回路が障害されている事が分かって来ています。

モノアミン類にはドーパミン、セロトニン、ノルアドレナリン等がありますが、特にセロトニンとノルアドレナリンの回路の活動性が低下しています。

セロトニンを作る神経細胞は扁桃(感情に関係)や視床下部(睡眠、食欲、性欲等に関係)等、鬱状態と関係のある脳の部分に突起を出しているので、セロトニンが枯渇すればこの部分の活性が落ちてしまうのです。

ノルアドレナリンの減少もセロトニンの減少の結果といえます。また、ストレスがかかると、体は戦闘態勢を取ります。つまり視床下部は副腎皮質刺激ホルモン放出因子CRF)を出して下垂体に副腎皮質刺激ホルモンを出させます。

その刺激を受けて副腎からはコルチソールが分泌されますが、その結果筋肉はエネルギーを取り込み、食欲や性欲は抑制され、集中力を高めるのです。

鬱病、特に重症の場合、この視床下部一下垂体一副腎が活性化し、また各段階で変化していると言う事が確認されています。

つまり視床下部一下垂体一副腎系が活性化され続けていると言う事は、ストレスに対する感受性が常に高いと言う事がいえるのです。

鬱病になりやすい人ではモノアミン類が減少しやすかったり、このストレスに対する反応系の活性が高いという形質を持っているものと考えられます。

鶴巻温泉治療院