インスリンが動脈硬化を起す

インスリンはブドウ糖を筋肉細胞に取り込ませる作用だけで無く、肝臓でHDL(善玉)コレステロールを分解し、VLDL(悪玉)コレステロールを増やす作用、及びVLDLコレステロールを分解する酵素であるリポタンパクリパーゼの活性を高める働きがあります。

1型の糖尿病患者を除く糖尿病患者の血液中のインスリン濃度は高く、高インスリン血症と報告されています。

この高インスリン血症の状態が長く続くとVLDLコレステロールが増加して、リポタンパクリパーゼの活性も低下します。

結果的に高脂血症や低HDLコレステロール血症の発症に繋がります。

これは動脈硬化性疾患の起こりやすい状態で心臓病、脳血管障害と言った合併症に注意が必要になってきます。

更に腎臓でのNaの再吸収が高まり、交感神経系の緊張が起きて高血圧症が発症します。

ですから、インスリンの濃度が高い状態は糖尿病、高脂血症、高血圧と言った全身症状を引き起こし、更に内臓肥満であれば「死の四重奏」という、大変危険な状態になります。

予防には、高脂肪食の食生活を改め、適度な運動をする等してインスリンの濃度を下げる生活習慣にするしかありません。

鶴巻温泉治療院