「ど忘れ」を見過ごさない

ある人物を話題にしたい時、顔は浮かぶのに名前が思い出せないという経験は誰にでもありますが、何度も繰り返すようなら、ひそかに脳機能の低下が進んでいる恐れがあります。

脳の活動に要求されるのは、正確さ・スピード・維持力です。言葉を考えて使わずに「あれ」「それ」等の代名詞ばかりで済ませていると、イザという時思い出せず必要な場面・速さで名前が出て来ません。

書く事でも同じで、ワープロに慣れていると自分の記憶中枢をほとんど使わないので、手書きで文章を書こうとしても漢字が思い浮かば無いのです。

記憶の原則は繰り返しで、言葉は使わないでいると直ぐに忘れ、身体機能と同じく脳機能も必要で無い物は低下して行きます。

「ど忘れ」は長期記憶のエラーですが、記憶中枢だけが機能低下したのでは無く、思考中枢や感情中枢など、他の中枢の機能も低下し始めている事が多いのです。

「ど忘れ」に気付いた時、その内容が長期記憶の中でも特に自分自身に関する事柄であれば、脳のどこかに問題があるのではないかと考えるべきです。

高次脳機能を調べるには、まず脳組織・脳血管・脳血流量・全身状態の異常の有無、脳機能の異常の有無を調べます。

脳組織についてはMRI等で調べられ、一見正常に見えても脳血流量が部分的に少なくなっていたりすれば脳機能低下を招く為、詳しい検査が必要です。

例え症状が無くても、無症候性の脳梗塞等が発見される事もあるので、特に身に覚えのある方は一度は高次脳機能の検査を受けた方が良いかもしれません。

鶴巻温泉治療院