胃食道逆流症

胃酸が逆流して食道の下部粘膜が炎症を起こすものを胃食道逆流症といい、最近特に増えている疾患です。

症状は胸焼けや呑酸が中心です。日本人はもともと胃酸分泌能が低いので胃食道逆流症は少ないとされていて、内視鏡検査でも40年位前までは3%位しか無かったものが20年ほど前から15~19%と急増しています。

これは診断する側に胃食道逆流症に対する認識が高まった事が一因ですが、高齢者が増えた事にも増加の原因がある様です。

胃食道逆流症は食道下部の括約筋圧が低下したり食道の運動機能が障害されると、本来は逆流しない胃酸が逆流する為、食道下部が胃酸にさらされ、食道炎となります。

すると更に括約筋圧が下がり食道炎が悪化するという悪循環を招いてしまうのです。

特に高齢者では食道下部の括約筋が弛緩しやすかったり、裂孔ヘルニアがあって胃酸が逆流しやすくなっている為にどうしても胃食道逆流症になりやすいといえます。

また食生活の欧米化により脂肪の摂取が増えた事も大きな原因といえます。

脂肪の摂取は胃酸過多を招くからです。

またピロリ菌に感染すると萎縮性の胃炎によって胃酸の分泌が少なくなる事が多いのですが、ピロリ菌の除菌によって胃酸分泌能が回復して胃食道逆流症が発症しやすくなるという報告もあります。

この疾患は内視鏡で下部食退部に炎症がある事を確認して診断されますが、炎症が無くても症状だけが強く現れたり、はっきりと食道炎の所見があるのに症状が出ないという事もめずらしくありません。

生活上では脂肪の摂取を減らす事、食道括約筋を弛緩させない為にも大食を避ける事、腹圧を上げるような服装や姿勢を避ける事、就寝時には上体をやや高くする事などが対策になります。