脳血管性痴呆

老年期痴呆症の分類は以前は、日本では脳血管性が約60%でアルッハイマー型が約30%、残りが混合型とされてきました。

しかし欧米では逆にアルツハイマー型が過半数を占め、脳血管性は約30%にとどまっていたのです。

この理由として欧米人に内頚動脈等の動脈硬化の程度が重く、頭蓋内脳動脈の動脈硬化は軽いのに比べ、日本人では頚部の動脈硬化は余り見られないのに頭蓋内脳動脈の硬化が著しいという事実が挙げられています。

しかし近年は日本の脳血管性痴呆は減少傾向を示し、欧米での統計に近づきつつあります。

その理由には脳梗塞後遺症に抗血小板薬や脳循環代謝改善薬が繁用される様になり、脳梗塞の再発を抑えていると考えられています。

欧米では脳血管痴呆への関心が薄く、DSM-Ⅲに精神疾患の国際基準とされる米国精神医学会の診断基準DSMの再々改訂版(現在はDSM-Ⅳ)に、ようやく脳血管性痴呆(以前は多発梗塞性痴呆)という診断名が出たのです。

この診断基準では

①痴呆が存在する
②既往歴や臨床症候から脳血管障害の証拠がある
③2つの障害の合理的な関連として明確な脳卒中後3ヶ月以内に痴呆が発症する、とあります。

日本では、脳血管障害があって2年位経って痴呆が出現しても脳血管性痴呆としているのです。

脳血管性痴呆の病態として、最も多く見られるのが基底神経核部及び大脳皮質下白質に存在する小梗塞巣で、大脳皮質の障害は比較的軽い事ですの変化が少ないので、2つの型を見分けるのに役立ちます。