手が震える

身体の運動は、自分の意志で動く随意運動と、その動きのバランスを整えたりスムーズにする働きの不随意運動があります。

随意運動は大脳新皮質の運動野から下行する神経線維が延髄の錐体と呼ばれる所で左右交叉して脊髄に行くので、錐体路系と呼ばれています。

そこを通らない不随意運動の神経系統を錐体外路系と呼んでいます。

その錐体路系が障害される典型的な疾患が脳出血や脳梗塞で、障害された脳の逆側に片麻痺を起させます。

一方、錐体外路系は多数の神経細胞が関与していて、シナプス部分も多く、ネットワークも複雑な為に、加齢に伴う血液循環障害や神経伝達物質の減少、外傷や薬物等様々な原因で障害が起こります。

よく見られる症状が「手の震え」で、この「手の震え」には大きく分けて静止時振戦、体位(姿勢)時振戦、動作時振戦の3種類あります。

パーキンソン病では典型的な静止時振戦があり、リラックスした状態でもピル・ローリング・トレモア(親指と人指し指で丸薬を丸めるような動作)が見られ、緊張すると更に強くなります。

一方、体位(姿勢)時振戦はリラックスした時は起こらずに、両手を前に伸ばしたり、特定の体位を取ると手が激しく震えるもので、代表的なものは本態性振戦です。

高齢者の場合は老人性振戦と呼ぶ事もあります。

この振戦はアルコールを飲むと殆んど消失します。

動作時振戦は動作をする時に手が震え始め、事に動作の終わり近くになればなるほど激しくなります。

これは小脳失調症に伴う企図振戦と呼ばれています。

手の震えではこの3種の他に、意外に多いのが甲状腺機能亢進症によるもので、若い女性ばかりで無く中年過ぎの男性にも起こります。