小脳の働き

小脳は身体の筋肉運動や姿勢の制御にとても重要で、平衡感覚や全身の骨格筋や関節等の情報が入ってきます。

生物の中でも、動きの鈍いカエルやイモリ等の両生類は小脳の発達が貧弱ですが、鳥類や哺乳類では小脳がよく発達しています。

系統発生的に最も古い部分を片葉・小節(原小脳)といって姿勢制御の為の平衡感覚に関係し、次に古い前葉(古小脳)は、脊髄や脳神経からの筋肉や関節の情報を受け取っては筋緊張の度合いを調節しています。

新しい後葉(新小脳)は、大脳皮質が行おうとする手や指先の精巧な運動の調整や技能的な熟練に関係しています。

小脳で最も大切な機能は、運動の「比較測定装置」の働きで、これは大脳皮質の運動野から指令が出て随意運動を起こそうという時、その情報が同時に小脳皮質にも伝えられます。

運動開始で筋肉や関節が動くと、それらに分布する受容器からの感覚情報がリアルタイムに小脳にインプットされてきます。

その結果、小脳は運動野のプログラムと実際の運動とを比較して、もし一致していなければ脊髄の運動神経細胞に信号を送ってそのずれを矯正し、同時に運動野にも次の運動の為にデータをフィードバックするのです。

この比較測定装置の分かりやすい働きとしては、普通目を閉じていても鼻の頭を指先でさわれるのに、小脳が障害されると上手く触れ無くなる事等があります。

小脳皮質にあるプルキンエ細胞は特にアルコールに弱く、酔っ払た人の行動を見れば、この装置の機能障害がよく理解できます。

また、小脳は被殻と共に運動技能の習得に深く関係していて、ピアノや自転車や水泳等、一旦身体が覚えれば一生忘れ無いというのは、小脳に記憶されるからなのです。