リンパ浮腫

リンパ浮腫は先天性のものもありますが、多くはがん(乳がん、子宮がん、前立腺がん)等の手術でリンパ節を切除後に二次性浮腫がよく起きます。

術後すぐ起きるとは限らず、数年たってからでもケガ等による細菌感染から蜂窩織炎やリンパ管炎を起こすと、何度も炎症を繰り返して皮膚組織は固く象皮化してきます。

片側の脚や腕が大くなりますが痛みは無く、放っておいても命にかかわるわけではないので、医者もあまり重要視せず、患者一人で悩む事になります。

心臓の1日の血液拍出量は約8000リットルで、末梢の毛細血管壁の隙間から血液成分の一部が漏れだし(1日20ℓ)、細胞で使われた後毛細血管の静脈側に再び入っていき(16~18ℓ)、差し引き2~4ℓがリンパ管に集まって、首の付け根近くで静脈に合流して心臓に戻ります。

リンパ液には赤血球は含まれず、血漿に近い成分で透明な淡いクリーム色ですが、腸管での脂肪吸収があると白濁します。

リンパ管は静脈よりも細くて弱い管で、逆流しないよう弁膜があり、軽い圧迫で簡単にリンパの流れは止まってしまいます。

リンパの流れは非常にゆるやかで重力の影響を受けやすく、リンパ節切除をした場合はゴムのきつい下着だと、流れが滞るので日頃から注意が必要です。

寝る時には浮腫のある四肢をやや高くして自然な環流を促し、軽い運動やマッサージでむくみを減らし、弾性ストッキングやスリーブを着用してそれ以上むくまない様にします。

マッサージのポイントはまず流れ込む先を空けるため、首の付け根(頚静脈角)を最初にマッサージし、ついで胸腹部、脇の下、上肢、あるいは鼠径部から大腿、下腿をそれぞれ求心的にマッサージします。

二次性リンパ浮腫では皮下組織間隙に蛋白や脂肪の塊等ができている事があるので、それをほぐすように揉んだり圧迫したりなどの手技も必要となります。

鶴巻温泉治療院