糖尿病性の昏睡

インスリン発見の1922年までは、糖尿病患者は軽症以外のほとんどが糖尿病性昏睡で死亡していました。

高血糖性の昏睡にはケトアシドーシス性糖尿病性昏睡と高浸透圧性糖尿病性昏睡があります。

ケトアシドーシス性昏睡は、インスリンの極端な不足で筋肉が血中のブドウ糖をエネルギー源として利用出来なくなり、代わりに脂肪や蛋白質を燃焼してエネルギーとする時、脂肪の代謝産物であるケトン体が血液を強い酸性にします。

すると脳神経細胞への酸素供給が滞って意識が薄れるのです。また高浸透圧性昏睡は高齢者に多く、高血糖で多量の糖が腎臓に流れ込むと浸透圧の関係で血液から多量の水分を吸収して尿量が増え、血糖値が著しく高くなり脱水症状を起こして昏睡に陥ります。

いずれも極めて危険です。逆に低血糖性の昏睡は血液中のブドウ糖が極端に少なくなって起こる物で、インスリン注射や経口糖尿病薬を飲んでから食事までの時間が開き過ぎた時に起こります。

脳神経細胞は低血糖状態に敏感で、70(mg/dl)以下に下がると手足の震えや動悸、吐き気や脱力感が表れ、40以下になるとめまい・精神錯乱・物が二重に見える等の中枢神経症状が現れ、意識障害から昏睡、死に至ります。

意識があれば砂糖水や飴等を与えますが、回復しない場合はすぐに入院が必要です。脳の低血糖状態が長く続くと脳障害の後遺症が残る事があります。