拒食症(神経性食欲不振症)への誤解

世間一般にこの病気は、女性が実際にはそれほど太って無いにも関わらず、太り過ぎを気にしてダイエットを始める事が原因だと思われている様です。

患者の平均年令は18~19才が多く、「思春期やせ症」ともいわれ、近年大都会を中心に急増しています。

確かに肥満を恐れて摂食足させる事をしている内に陥る事がありますが、成熟拒否や「性」を拒否する心理を背景とする物もある様です。

しかし本当の原因はまだ解明されておらず、医療法・栄養法・看護法も調査研究の段階で、1981年厚生労働省が難病に指定しました。

アメリカでは800万人の患者がいて内700万人が女性で、深刻なケースの6%が命を落とすという事です。

ポップス歌手のヘレン・カーペンターがこの摂食障害で亡くなった事をご記憶の方も多いでしょう。

イギリスの摂食障害協会は「表面上、この障害は食べ物に閲するものに見えるけれども、根本的には深い心理的及び感情的な混乱がこの様な形をとって外に表われたもの」と言います。

患者は食欲を失ったのでは無く、自分に食欲を満足させる事を許す能力を失った事です。

拒食症は単に痩せたいとかほっそり美しくなりたいと脅迫観念めいた願望から起こるのでは無く、現実と何とか折り合って精神的な生き残りを図ろうとする必死の努力なのです。

鶴巻温泉治療院