お目付役のサル

寝たきりは二人の患者を作ると言われます。つまり介護する人も病気になってしまうと言う事です。

被介護者は穏やかで思いやりがあり介護者に対して感謝の気持ちを持っているとは限りません。

例えそうでも介護者には大変なストレスがかかってきます。

まして我がままで気難しい被介護者の場合は介護者に大変なストレスがかかります。

さてストレスの実験に「お目付け役のサル」と言う動物実験があります。

この実験では2匹のサルをお互いを見る事が出来、話しも出来る状態で座らせます。

1匹のサルには電気ショックを与える様に、もうl匹のサルにはレバーを与えますが、そのレバーを引けば目の前のサルの電気ショックをオフにする事が出来る様にしておきます。

つまり、レバーを引く事でもう1匹のサルの不快を救ってあげられるのです。

ただし、この電気ショックは非常に微弱で、少し不快になる程度に設定されています。

しかし、レバーを操作するサルはその事が分からないので、相手の表情等からその不快さを想像する事になります。

この実験は2匹のサルの不安感がどの程度のストレスになるかを調べる為に考案されたものです。

この実験の結果、片方のサルの腸管に見事に潰瘍を作る事に成功しましたが、この時潰瘍が出来たのは電気ショックを受けた方のサルではなく、レバーを持たされたサルの方でした。

このサルは仲間を電気ショックから救わなけれぱならないと言う責任を強く感じた為に、潰瘍になったと推量できます。

この実験でも明らかな様に介護の問題でも言えるのですが相手の状態を正確に知る事がいかに重要であるかと言う事です。

鶴巻温泉治療院