うつ病は脳の心身症

体の病気のほとんどは精神的なストレスと無関係では無く、精神的ストレスは消化器、循環器を始め全ての身体部分に機能的、器質的疾患を起こします。

この様に心因的なものと非常に関係の深い疾患を心身症というくくり方をしますが、うつ病もいわば脳に起こった心身症といえます。

うつ病は心の病気ではありますが、脳が長期的に受けたストレスの結果、中脳一辺縁系で神経伝達物質のカテコールアミン(ドーパミン、アドレナリン、ノルアドレナリン等)やインドールアミン(セロトニン等)の刺激伝達機能が上手く行かなくなっている事は分かっています。

また前頭葉の血流低下やグルコース代謝の低下も起こっている様ですが、回復すると正常化します。

つまり、体質的に脳のアミンの代謝や機能に弱点のある人が、社会的環境、心理的ストレス、肉体的変化(思春期、更年期、老化)等の慢性的ストレスによって代謝が上手く行かなくなり、自律神経障害を含む身体症状や精神症状が起こると考えられるのです。

また脳の部分では、例えば帯状回という部分が興奮すると不安感が起こり、扁桃体が過剰に抑制されてもうつの状態になります。

脳は使っているとその部分の血流が増えシナプスが増えて強化されます。

思考の傾向で不安や怒りの感情を持ち続けると辺縁系の帯状回や扁桃が刺激され続け、強化されてしまうのです。

一方明るい思考や喜びの気分は側座核や前脳基底核の中隔核を刺激、強化します。

つまり日頃の思考パターンや感情そのものが脳の回路パターンを作るのだともいえるわけです。

うつ病が発症すれば心掛けや精神力では治りませんが、治った後負の回路を強化し続ける様な思考・感情生活をしていれば再発する事になります。

精神療法や認知療法はうつ病の予防・再発予防にとってこそ必要だといえます。