運動がインスリンの作用を高める

インスリンは血液中に放出されると骨格筋、肝臓、脂肪組織の細胞にあるインスリン受容体に結合し、血液中のブドウ糖を組織内に取り込みます。

この糖取り込みは数分の内に行われ、血液中のブドウ糖は組織内にすみやかに移動して、血糖値は低下して行きます。

インスリンによる糖の取り込みは骨格筋が全体の約30%、肝臓が10%強、脂肪組織が10%弱を占めます。

運動不足があると骨格筋に移動しないので、脂肪組織に取り込まれ、糖尿病の要因である過体重になり、インスリンの作用が低下するインスリン抵抗性を引き起こす事になります。

厚生省糖尿病実態調査によると、1日4000歩以下しか歩かない運動不足の人は、12000歩以上歩く人に比べ糖尿病のリスクが約3倍になると発表しています。

明らかに運動不足は糖尿病発症リスクを高めるのです。歩行等の全身運動は骨格筋の血液循環を高め、また骨格筋のグリコーゲン消費を促進し、骨格筋での糖取り込みを増加させインスリン抵抗性を改善します。

有酸素運動を20分以上続けた場合は骨格筋のグリコーゲンが減少すると共に体脂肪を分解して肥満を防止するので、運動療法は糖尿病の予防の為に欠かせません。

ただし動脈硬化等の合併症がある場合は医師と相談して運動量を決める事が大切です。