遺伝子組み換え植物の戦略

日本国内で流通している遺伝子組み換え作物は大豆、なたね、トウモロコシ、ジャガイモ、綿、トマト、テンサイ等で、組み込まれた遺伝子によって除草剤や害虫に耐性があるとされています。

従来、交配による品種改良は同種生物の間でしかできなかったものが、遺伝子組み換えでは植物に動物の遺伝子を組み込む事もできます。

あるトウモロコシは、葉を食い荒らす害虫が食べると死んでしまうBtタンバク質を出す細菌の遺伝子を組み込み、殺虫剤を散布しなくてもいいといわれています。

でもBtタンバク貿に感受性のない害虫に対しては当然ながら無効です。

さてアメリカの多国籍ハイテク企業の最大手のモンサント社は、毒素を出す遺伝子を組み込んだ作物が次世代の種子を残せないようにした「植物遺伝子の発現抑制」別名ターミネーター・テクノロジーを開発しました。

しかしこの技術が世界中から非難を浴びると、今度はさらに巧妙な「トレーター・テクノロジー」と呼ばれる技術を開発しました。

植物は成長過程で病気に対する抵抗性を発現したり種子を実らせる性質を発現したりしますが、トレーター・テクノロジーはこうした能力を発現する遺伝子とそのプロモーターの間をいちいちブロックしておく技術です。

この作物をうまく育てるには、この段階でこの薬をかけなさい、次の段階ではこの薬をかけなさいというように、ブロックを外す薬を次々と農家に買わせていき、もしもどこかの段階で薬をかけるのを止めるとその作物は正常に育たなくなるのです。

特許料のかかった種子と薬剤のセットを買わせる為の巧妙な戦略ですが、貧しい国では遺伝子組み換え作物で飢餓を救うどころか種子さえ買えない事になりそうです。