感染症の中のSTD

感染症には空気感染や経口感染更に接触感染など様々な感染ルートがあります。

病原体からみれば、感染しても宿主から新たな宿主に伝染するルートが必要であり、そのルートが無い限り、病原体は生き残る事が出来ません。

新たな宿主に伝染する繰り返しが起こる事を感染環といいます。ですから、伝染病の予防は原理的に、この感染環を断ち切る事にあります。昔は患者の隔離というやり方や、予防接種もまた感染環を中断させる方法である訳です。

一方、病原体からみれぱ宿主を致命的な所まで追い込む事は自殺行為でもある訳ですから、最も理想的には常在微生物として宿主と共生する事です。

性病の性交感染がSTDというより広い概念になったのは、性的活動の多様化によって病原体の感染ルートが性器だけで無くなったからです。

人間以外の動物では活発な性的活動をしていませんので、性的接触は感染環として効率的なルートとはいえません。動物の世界ではSTDは基本的には起こらないとも言えます。

つまりSTDはすこぶる人間的な病といえます。またSTDの感染環の維持にはもう1つの特徴として二次的病巣があります。

これは梅毒や淋病もそうですが感染は粘膜ですが、関節や骨や血管など別の臓器に病変を作ったり、あるいはエイズウイルスやB型C型ウイルスや性器ヘルペスの様に別の臓器に潜伏しながら感染の機会をうかがっている物もあるのです。

これらの事を考えると感染環を作り上げる新たな病原体がSTDに加わる事は間違いのない所だと思います。