筋膜と腱

個々の筋細胞膜の表面は、ソフトタイプのコラーゲン繊維でできた「基底膜」で、その外にはやや厚い「筋内膜」で覆われています。

この筋細胞が数百で筋束を作り「筋周膜」に、更に表層を「筋外膜」で覆われ、これら筋内膜・筋周膜・筋外膜は張力に強いタイプのコラーゲン繊維でできています。

筋から腱へ力の伝達をする時、筋と腱を構成する蛋白質はそれぞれ性質が異なっていて、その接合部は数種の蛋白質が中継する複雑な構造になり、筋線維の端では細胞膜が凸凹しています。

これは筋の細胞膜とコラーゲン組織との接触面をできるだけ広くする為の様です。

腱と骨膜の構成成分は同じタイプのコラーゲン繊維なので、化学的結合で強力に接着していますが、やはり接触面積を広くするために骨表面に細かい凹凸(骨組面)があって、腱が骨にくい込む形で物理的にも強く接着しています。

腱のコラーゲン分子は棒状構造をしていて密集して平行に並び、長軸方向には引っ張ってもあまり伸びない性質を持っていますが、筋内膜や筋周膜のコラーゲン繊維では、分子の配列がランダムなので伸縮できます。

実際に腱が伸び始める時にはいくらかコラーゲン繊維に緩みがあって、バネの様な弾性がありますが、伸びきってしまうと硬くなって張力に強い抵抗を示し始めます。

腱がこの様に弾性を持つ事で筋収縮のエネルギーを弾性エネルギーとして一時的に腱に蓄え、その後の連続筋収縮運動のエネルギーが少くて済むような仕組みになっています。

アキレス腱の働きでいうと、走ったりジャンプしたりする時、このメカニズムで筋収縮エネルギーを節約していると考えられています。