受精卵が分裂を繰り返しながら胎芽となり、子宮壁に着床すると直ぐに胎芽の周囲に羊膜が形成されます。
羊膜は胎児の成長に伴って細胞分裂を繰り返しながら大きくなり、胎児と羊膜の間の子宮腔に、羊膜上皮から分泌された羊水が次第に溜まって行きます。
スペースを作って胎児の運動と発育を肋けるのです。
最初は無色・無臭の液体ですが、妊娠末期には胎児の産毛や皮膚、皮脂や胎児の尿等が混じって、白濁したり黄色味を帯びたりします。
胎盤は胎芽が着床した時から約10週間かけて完成し、この後羊水は急に量が増えて、妊娠末期には500~1000ccに達します。
胎児は妊娠14週頃から羊水を飲み込む様になり、胎児自身の老廃物は胎盤循環を通して母胎へと運び出され、一部は胎児自身の尿として羊水中に排出されます。
羊水は多過ぎても少な過ぎても胎児に重大な影響を与えます。
羊水過少では胎児と羊膜が癒着したり発育不全や奇形が生じやすく、逆に慢性羊水過多だと早期破水や分娩時微弱陣痛等で母子共に危険な状態に陥りがちです。
しかし分泌される羊水量と胎児が飲み込む量はほぼつり合っている為、羊水は常にほど良い量が保たれます。
そして分娩時には羊膜に加わる圧力によって子宮口が開き、破水によって産道を消毒し、潤滑剤の働きをして胎児を外界へと送り出すのです。
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