洗い過ぎは肛門を弱くする

便秘や、下痢のために肛門の粘膜を傷つけたりすると、便に含まれる細菌が直腸や肛門周辺に感染しやすくなり、痔のある人は症状を悪化させます。

そのために排便後、紙で拭くだけでは肛門のシワに便を擦り込んでしまう事になり、肛門周辺がジクジクする等不衛生になるので、痔の方は排便後には肛門周辺を洗う事です。

内閣府が2018年3月にまとめた消費動向調査によると、2人以上世帯の家庭の<b>温水</b>洗浄<b>便座普及率</b>は80.2%。 100世帯当たりの<b>普及</b>台数は113台となっています。

痔の方にとってはこのトイレで排便後のケアも楽になってきました。

しかし、最近は清潔志向から過度に肛門を洗い過ぎて皮膚がカサカサになり、痒みを訴える人が多くなって来ています。

人間の皮膚には表皮ブドウ球菌や黄色ブドウ球菌を始めとする約10種類以上の皮膚常在菌があって私達の皮膚を守ってくれます。

この常在菌は皮膚の脂肪を餌にして脂肪酸にして、皮膚は弱酸性になり、外からの病原菌が侵入して来てもそれを寄せ付けないのです。

温水洗浄トイレのシャワーのために肛門周囲の常在菌が流され、中性になるのです。

肛門周囲のpHは健康な人の皮膚で5.4~5.7ですが、痒みを訴える人のpHは7以上になっていてアルカリ性になっているのです。

洗い過ぎは常在菌が居なくなるだけで無くて、皮脂を失う事で、皮脂膜が傷害されて角質の細胞がばらぱらになって皮膚がカサカサになり、座っているだけで痛みや出血が起きやすくなるほど弱くなっているのです。

痔疾を持たない人がトイレシャワーを過剰に使うのは避けた方がよいでしょう。

鶴巻温泉治療院