気管と気管支の構造

気管は10~12 cmの長さで喉頭の下に続き、馬蹄形の硝子軟骨が16~20個連なり、それを輪状靫帯というしっかりした靫帯構造で繋いで空気を確実に導ける様になっています。

気管の後壁には軟骨が無く、膜性壁という結合組織や筋によって閉ざされ、この膜性壁は収縮する事で気管腔を約25%も狭める事ができるのです。

この気管筋は平滑筋で自律神経の支配を受け、交感神経の興奮で気管支が拡張し、副交感神経の興奮で収縮します。

気管筋が収縮すると気管内壁に縦ヒダが現れ、ヒダの間には漿液一粘液腺である気管腺が開口しています。

気管の内壁は粘膜になっていて、粘液を出す杯細胞を伴う2列繊毛上皮からなり、粘液に吸着されたほこりは時間と共に咽頭へ送り出されて痰として排出されます。

気管に続く左右の気管支は第五胸椎の高さで50~100°の角度で分かれ、右気管支は左に比べて太く垂直に近い角度で降り、左気管支はむしろ側方へ走っています。

左側には下方に心臓があるのと、左気管支の上部を大動脈弓がぐるっと乗り越えて行く様な構造になっているせいで細く、気管に入った異物が転がり込む割合は右と左で7対3になっています。

気管支の分岐部は呼気など横隔膜の弛緩によって約5cmも上昇し、吸気のときには沈下します。

分岐角は横隔膜が沈下した時に小さくなり、上昇すると5~16°も開くのです。

鶴巻温泉治療院