短距離ランナーの調整法

筋原線維はミオシンとアクチンの蛋白質で構成され、その相互作用によって収縮します。

そのミオシンの分子の内、重鎖と呼ばれる部分が機能的な特性を決めている事が研究で分かって来ました。

重鎖には3種類あり、最大収縮度で比較すると最も遅いI型線維である遅筋線維、その10倍の速さで収縮する最速線維と、その中間速度の筋線維の2種類を含むⅡ型の速筋線維があります。

世界レベルの短距離走者の筋線維割合は遅筋が20%、速筋は中間速度が45%、最速線維が35%です。逆に遅筋線維が90%の人はマラソン選手に向いています。

短距離ランナーには最速線維が重要ですが、その線維を増やす方法があります。ウエートトレーニングの様な負荷を繰り返しかけると最速線維が減り、中間遠度の線維に転換します。

激しい運動を約1か月以上続けると最速線維は完全に中間速度の線維に変わり、運動を止めると今度は増加した中間速度の線維は最速線維に逆戻りするのです。

しかし最速線維の相対量は運動を止めると3か月後には元の量の約2倍に増え、その後元の量に戻ります。

この最速線維のオーバーシュート現象(度を超えて出来る現象)のメカニズムはまだはっきりと分かっていませんが、トレーニングをして中間速度の線維を増やし、大会のスケジュールに合わせトレーニングの量を減らして最速線維が多くなる調整法をするのです。