サレルノ健康規則

西洋でもヒポクラテスの頃から医術の原理を養生法、薬剤学、外科の三部分に分けていました。

外科の象徴が鉄の輪、薬剤学は蛇、そして養生法を表すものは杖でした。

そして、この養生法に関して言えばアラビア医学から強く影響を受けています。

養生の書として日本の「養生訓」に匹敵するものといえば、13世紀の中世に産まれた「サレルノ健康規則」です。

20世紀にはいった1915年にもドイツで「サレルノ大学の医学的教訓詩」という題名で翻訳出版されているほどポピュラーなものです。

この本は、多くの詩篇からなっていて、大変読みやすく、朗読にも向いています。

最初の頃は200から300の詩で構成されていましたが、後の版では詩の数が数千にもなったそうです。

著者は不祥です。巻頭の言葉は簡潔で力強い言葉で歌い上げています。

 

「汝逞しくあらんと欲せば/次に告げるところを聞け/心を圧す憂いを捨てよ 怒りとは/賤しきことなり、聞けよ/僅かな食べ物のみを摂りて/強き酒には心せよ/食し終えたらば好んで立ちあがれ/真昼の眠りを控えよ/尿を長く堪えることなく/腸に動きを感ぜぱ、これに従え/我汝に教えるそのまま行なえば/長き人生を旅することならん。」

養生法の原理として「医師よりも良きものは三つの原則、つまり安静、明朗、節度」でそれに関する生活や食事の戒めの詩が続いています。その中でも養生生活の格言として独立して、諺として現在まで伝わっているものも数多くあります。

例えば「食事の後は憩うべし/さも無くば1千歩を歩むべし」「入浴、葡萄酒、性愛は/我々の身体を滅ぼす。/しかれども生命を作るのは入浴、葡萄酒、性愛なり」。

このサレルノ健康規則はまた旅行用と船乗り用、老人用等も作らていました。