便秘薬に注意

便秘に苦しむ人は多く、緩下剤や下剤を簡単に常用しています。

しかしこれが便秘の悪化にも繋がったり、新たな病気を作る事にもなるのです。

例えばセンナやアロエなどの生薬は昔から下剤として使われて来た事もあって、安全だろうと連用する患者さんも多いのですが、意外と危険なのは知られていません。

これらの成分の働き方は大腸を刺激するもので、作用が強く習慣性があります。

有効成分は小腸から吸収されて血行を通じて、また大腸壁に直接働いて粘膜や轜動運動を司るアウエルバッハ神経叢を刺激して、嬬動運動を高めて排便させます。

刺激が強い割りに長く連用すると耐性ができやすく腸管の細胞を障害します。メラニン色素が沈着して腸が黒っぽくなる事もあります。

また市販されている便秘薬は効き目が穏やかで比較的安全とされている緩下剤が多いのですが、これとて耐性ができて習慣になる事もあります。

便秘薬を規定量飲んでも段々効かなくなるので飲む量を増やします。すると腸管は痙學を起こして更に排便し難くなるのです。

するとまた増量、今度は下痢になります。

下痢でも出ないよりはましということで便秘薬を連用し、便意だけは感じ続ける、という下剤性の結腸症候群になってしまうのです。

しかも腸を刺激して無理に排便させる事でカリウムイオンが消耗します。

すると今度は腸の緊張が無くなって便秘が酷くなってしまうのです。気軽に飲みやすい便秘薬ですが、決して適用すべきではありません。

鶴巻温泉治療院