逆流性食道炎

食道と胃の境目には下部食道括約筋という強い平滑筋があり、食道よりも高い胃の内圧によって胃内容物が食道に逆流するのを防いでいます。

食道は重炭酸や粘液を分泌する事もほとんどなく、PH1~2の強酸の胃液が逆流して食道粘膜に触れると簡単に炎症を起こしてしまいます。

症状は激しい胸やけの他に、胸痛や咳、吐き気や嚥下困難、榎声やしゃっくり等が起こり、単純な胃酸の逆流が様々な症状を引き起こします。

ところで唾液はアルカリ性で、1日に2リットル程分泌されて逆流した胃酸を中和してくれますが、唾液量が減少するシェーグレン症候群では食道炎を起こしやすく、ガムを噛む事が逆流性食道炎の予防になります。

アメリカでは逆流性食道長の患者がとても多いのですが、この為にアメリカ人はいつもガムを噛んでいるのではないかといわれるほどです。

一般に欧米では逆流性食道炎はとても多く、アメリカでは入口の40%以上がこの食道炎の患者群と考えられています。

なぜ欧米では日本に比べて逆流性食道炎が多いのかといえば、高脂肪食や肥満度の違いの他に、ヘリコバクター・ピロリ菌の保菌率が低い事がおおいに関係しています。

ピロリ菌は胃潰瘍や胃がんの原因ともいわれていますが、ピロリ菌に長期間感染していると、胃粘膜が萎縮して、酸分泌が低下し、強い胃酸の逆流が起こりにくくなるのです。

日本ではピロリ菌の保菌率の低下と食生活の脂防食化もあって逆流性食道炎が年々増えていますが、これは慢性的な疾患で完全に治る事はなく、欧米ではQOLをおおいに損なう病気だと指摘されています。

重症患者の多い欧米では手術も行われていますが、逆流性食道炎の薬としては、制酸作用が強いプロトンポンプ阻害薬があり、症状が軽い場合は制酸効果が軽いH2ブロッカーなどが用いられます。