吸入薬を内服すると

我が子に喘急用の吸入薬硫酸サルブタモールを飲ませ、殺害を図ったとして逮捕された准看護婦の母親の事件がありました。

普通に処方されている、喘急用の気管支拡張剤をお茶等に入れて飲むと死ぬ事があるのかと言う事で、喘息の発作時に「ベネトリン吸入旅」(製品名)を使用している人々から「この薬は安全なのか」と言った問い合わせが数多く殺到しました。

基本的には同じ薬でも吸入するのと内服するのとでは体内への吸収量と作用範囲が大きく異なります。

吸入薬は専用の吸入器(ネブライザー)に少量入れ、吸気と共に吸い込みます。

喘息の薬ならば末梢の気管支粘膜に直接働きかけて、気管支を拡張させます。

その働きは局所的なので毎日適量を吸入するだけでは、効果が他の臓器に及ぶ事はありません。

吸入用の薬をもし内服すれば、胃腸の粘膜から吸収され、静脈から心臓を介して全身を巡るので、作用が全身に及びます。

硫酸サルブタモールには交感神経を刺激する働きがあるので、過度に服用すれば心悸亢進や不整脈を始め様々な交感神経緊張の症状が表れます。

吸入する時は用量をきちんと守れば決して危険な薬ではありません。

事件であった様に、もし吸入薬を点滴で体内に入れたとすれば、肝臓で分解されてしまう前により強力に直接的に全身の各器官に作用するので、内服の10分の1の量で同じ働きがあり、生体にとっては極めて危険な結果になります。