舌診

西洋医学では舌によって体の状態を判断する事は余りありませんが、漢方では望診の一つとして視診と共に舌診は重要視されています。

北里研究所の東洋医学総合研究所では西洋医学的な診断と合わせて舌診が病気や身体の状態を判断するのに有効である事を示しています。

正常な舌は淡紅色ですが、凰邪の引き始めや発熱時、脱水状態になると赤くなります(紅舌)。

赤味が更に強く、どす黒いほど(暗紅舌)では舌の毛細血管の循環障害を起こしていると考えられ、更に紫色に近く(紫舌)なると舌の静脈が拡張した状態で冷えがあり、汚血が強い状態であると言えます。

ただ、同じ汚血と言っても、若い女性に対する観察では暗紅舌では細胞内も細胞外の水分も足りない状態の汚血であるのに対して、紫舌や淡白舌では細胞内の水分量が多い、むくんだ状態になっていると見られます。また舌は当然胃腸の異常が表れやすいのですが、舌苔の無い人では胃酸が少なかったり無酸の人も多くなります。

一方白い苔が強い舌では全てではありませんが過酸傾向が強く、びらん性胃炎や十二指腸潰瘍、胃潰瘍が見られる事もあります。

まれに白い部分に赤い部分が地図のようにまだらになっている事がありますが、これは糸状乳頭の発育の差によるもので、原因ははっきりしませんが、自律神経の障害で起こる事が多い様です。

舌苔は舌の糸状乳頭の細胞が角化して舌に残ったもので、言ってみれば舌の垢といえます。

この舌苔を掃除するグッズ等が出ています。舌の粘膜を傷つけ無いように優しくしましょう。

鶴巻温泉治療院