ヘマグルチニンとインフルエンザ

インフルエンザウイルスはどの様に宿主である呼吸器系の細胞に侵入するのでしょうか。ウイルスの表面の蛋白にはヘマグルチニン(HA)があります。

これは赤血球凝集素と言う名前が付けられています。と言うのもインフルエンザウイルスと赤血球を試験管の中で混ぜると、赤血球が固まって試験管の下に沈殿するのです。

この現象を赤血球凝集と言います。つまりウイルスのHAにより赤血球の表面にあるシアル酸が付いているレセプターとが鎖の様に繋がってしまうからなのです。

勿論、このウイルスのHAは赤血球にくっ付く為にあるのではありません。赤血球には核がありません。つまり遺伝子を持たないのでウイルスが侵入する事が出来ても、ウイルスにとって自己の増殖には全く役に立たないからです。

実は、鼻や気道の粘膜の細胞にも赤血球と同じシアル酸レセプターがあるのです。そこにウイルスが取り付いて結合して、そこから細胞内に侵入する拠点にするのです。

宿主細胞はこの取り付いたウイルスを栄養やホルモンと勘違いして、自らとり込もうとするので、やすやすと細胞内にウイルスは侵入する事が出来るのです。

そして侵入するやそれまで着ていた膜を脱ぎ捨て核に潜り込んで自らを複製するのです。

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