抗菌剤の正しい使用の勧め

MRSAに有効とされるバンコマイシンも効かない新たな耐性菌(VRE)が出現、院内感染が多数発生して問題になっています。

今日、病院・医院で感染症と診断されると極めて簡単に抗菌薬が出されます。

抗菌薬には、細菌の細胞壁や蛋白質の合成を妨害して死滅せる、ぺニシリンやストレプトマイシン等の抗生剤や、細菌のDNAの機能を妨害して殺すキノロン系の化学療法があり、各病原体に応じた作用と容量が決められています。

その薬理作用は様々に異なるので、各病原体に応じた抗菌薬を決められた量で規則正しく服薬しないと、体内の病巣で病原体を十分殺すだけの抗菌薬の濃度が得られません。

個人の判断で、強い薬だから控え目に飲もうとか、症状が無くなったからと言って直ぐに服薬を中止してしまうと、完全に死滅しなかった菌がまた増える事になります。

そこでまた薬を飲んで抑えると言った事を繰返す内、遺伝子の変異や新しい遺伝子の獲得により耐性を得た菌が選択され、各薬剤に対する耐性菌が出現する事になります。

一旦抗菌薬を使い始めたら、病原体を十分にやっつけたと確認されるまで、薬の便用を勝手に止める事は危険です。又、処方された抗菌薬を安易に家庭内で回し飲みする等すると耐性菌の家庭内感染の恐れもあるのです。

鶴巻温泉治療院