男の脳と女の脳

脳の性差については昔から、脳の重さが男女で違う事が研究され、女性蔑視の材料として利用されたりもしました。

同じ身長・体重・体表面積に補正して考えても男性の脳の方が女性の脳よりも約100g重いのです。

しかし女性の脳は小さくても神経細胞の総数には男女差がなく、女性の脳の方が神経細胞の密度が高く、一般的な知能IQに男女差は無い事等から、女性の脳の方が効率良く働いているといえます。

構造面での男女差の最も顕著な部分は脳梁の形態です。

脳梁は左右の半球の連合野同士を連絡する交連線維の束の事で、脳梁の後部にある脳梁膨大の形が、女性では丸く膨らんだ球形をしているのに、男性では膨らまないで管状になっているのです。

女性の脳梁膨大が大きいという事は、女性の方が神経線維の数が多い、または髄鞘形成が良くて線維が太い、の両方が考えられ、視覚情報や聴覚情報や言語情報の処理の仕方が男女で異なっているらしいのです。

脳梁膨大の球形化と言語能力テストの関係を調べた研究では、相関関係があると出ています。

脳梁の他にも大脳辺縁系の情報の左右連絡を受け持つ前交連は男女差がハッキリしていて、前交連の断面積は女性の方が太く、情動反応に関する神経線維が多い事から、女性が情動的に繊細である理由になると考えられます。

他にも電子顕微鏡で観た場合、神経回路のシナプスの接合様式に男女差がある事が判りました。

シナプスに性差があるという事は男女で神経回路の配線に違いがある事を示し、脳機能の男女差がここからも生まれるのです。

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