老化と免疫

免疫には自然免疫と獲得免疫があります。リンパ球が主体になる獲得免疫系の免疫力は、20歳前後でピークに達して加齢と共に低下します。

免疫の主役でもあるT細胞は骨髄で作られた後、胸腺で体に入って来た異物を、自己、非自己と認識出来る能力を教えられます。

胸腺は10歳前後から縮小し始めて、60代では最大重量だった時の約40%、90代では10%以下になります。胸腺の縮小と共にT細胞に依存している免疫機能は落ちてきます。

機能の低下は縮小率ほど激しくは無いのですが、自己、非自己の識別能力が弱くなります。

T細胞からの情報でB細胞は抗体を作り体外から侵入して来た敵を即座に攻撃します。

人間は年を取るに連れて、様々な細菌と出合うので、B細胞の作る抗体は多くなっていますが、老化の為にT細胞の識別能力が低下し、その為に免疫システム全体が低下するのです。

その結果、抗体が自己を攻撃して、自己免疫疾患が発症しやすくなったり、癌細胞への攻撃力が低下して癌発生率が高くなると考えられています。

また老化で自然免疫のマクロファージやNK細胞の働きが低下すると、若い人には無害な、常在細菌が悪さをして病気になってしまう事もあります。

老人の死因で多いのが肺炎ですが、風邪等で弱った体に、普段は何とも無い細菌が感染して肺炎になってしまう日和見感染と言うケースが多くなるので、注意が必要になって来ます。