うつ病・うつ状態の精神療法

うつ病・うつ状態は薬によって改善しやすくなりましたが、精神療法が無用になった訳ではありません。

ただしうつ病・うつ状態は深層心理的なアプローチによって自己を再構成させたりする必要は無いとされています。

精神療法には森田療法、断眠療法、運動療法、セルフヘルプ・グループ等多くの方法がありますが、患者さん本人が自己療法として取り入れやすい物に認知療法と防人関係療法があります。

認知療法とはアメリカの精神科医ベックによって始められたもので、誰にでも分かりやすく、具体的で現実生活に即して実行して行ける事が特徴です。

まず物事を歪めて抑うつ的に捉えている自分の感情や、そこから引き起こされた行動との関係に気付かせます。

それをコントロール出来る様に日常の中でトレーニングを行い、自分の問題を制御出来ると言う感覚を得る事で症状を改善させようと言う物です。

ポジティブ・シンキングに似ていますが、単に楽観的に考えれば良しとする物ではありません。(参考文献:「いやな気分よさようなら」デピット・バーンズ著/野村総一郎訳/星和書店)対人関係療法もアメリカの2人の精神科医が考えたものです。

うつ状態は人間関係の破綻をきっかけに始まる事が多いのですが、うつ病・うつ状態の人に特徴的な人間関係の問題点を調べ、それを変える事で改善しようという物です。

大切な人の喪失体験(死、離婚など)、関係性の中での役割の変化(結婚、出産、就職や異動など)、人間関係その物の欠如、コミュニケーション・ギャップ等に注目し、自分でチエックしながら人間関係の持ち方を変えて気持ちを軽くしようとして行く物です。(参考文献:「心が軽くなる人間関係」大野裕著/大和書房)

鶴巻温泉治療院