乗り物酔いはどうして起こる

乗り物酔いは、吐気、嘔吐、顔面蒼白、冷や汗、唾液の異常分泌等が起こりますが、これは全て自律神経失調の症状です。

これらの症状はめまいを起した時の随伴症状としても知られています。

乗り物酔いが起こる原因は内耳の三半規管と耳石器を総称した前庭迷路と視覚等の感覚器の異常、更に中枢の前庭小脳の機能混乱に伴う精神的な緊張等が挙げられます。

まず、回転運動を感じる三半規管と身体の傾きや加速を感じる耳石器から前後、上下、左右、あらゆる方向からの揺れや振動の過剰な情報が脳幹にある前庭神経核に伝えられます。

この脳幹の前庭神経核には手足や首の筋肉や関節からの情報や視覚情報等の感覚が集まる所です。

その情報に対応して前庭神経核の中の、姿勢を制御する為の前庭脊髄運動系、目を動きに合わせる前庭眼運動系、内臓機能と対応する為の前庭自律神経一系、より細かい運動に対応する前庭小脳系、学習の為の前庭皮質系の5つの反射系が出力する仕組みになっています。

これらによってより細かい姿勢調整、眼位の調整を行います。

また、大脳皮質にも情報が送られる為に、乗り物酔いの不快な気持ちが記憶され、乗り物に乗る事への情動的な不安も引き起こされるのです。

ですから、乗り物酔いは直接的には耳、眼、小脳の情報の混乱による一過性のめまいが起きた為に、自律神経系の過剰反応が誘発されるのです。

更に、これまでの不快な記憶によりそれがより強化される為に引き起こされるのです。

鶴巻温泉治療院