動脈硬化が出産促進?

妊娠すると胎児は母親から栄養を貰いながら10ヵ月をかけて育っていきます。

その母親からの栄養は胎盤から胎盤動脈、臍帯動脈を通って胎児に届けられるのですが、その胎盤動脈が発生してから役割を終える出産までの過程は、人の動脈の一生と同じ過程を辿ります。

動脈は、発生した後成長成熟し、やがて老化し動脈硬化となって行きます。胎盤動脈は10ヵ月の間にそれと同じ様な過程を辿るという分けです。

胎児が成長してそろそろ出産という2~3週間前からは胎盤動脈の内腔が厚くなり、出産時には全く閉塞状態になっています。

その組織学的特徴は人の動脈硬化の特徴と同じなのです。

流産や早産で10ヵ月に満たずに胎児が母体から出た時、その胎盤動脈は閉塞を起しており、10ヵ月経っても陣痛が無く、止むを得ず陣痛促進や帝王切開の処置をした時の胎盤動脈は閉塞が起こって無い事が多いそうです。

出産の時期は直接的にはホルモンによるものだとしても、この胎盤動脈の動脈硬化が影響している事は確かです。胎盤動脈の耐用期間を10ヵ月と決めて、妊娠期間で出産出来るよう、ホルモンだけでなく、栄養補給の装置の面からもプログラムしているのでしょう。

鶴巻温泉治療院