肝臓の働きは、まさに身体の大工場です。身体の中の老廃物や毒を排泄したり、必要な蛋白質の合成、蛋白代謝、糖代謝等、毒性の高い物の解毒、消化補助などの働きがあります。
そして、それらの働きが悪くなると、肝機能検査の数値の異常として出てくるのです。
GOT、GPTは肝臓の細胞が破壊されたときに血液中に流れ出てくる酵素ですが「肝実質系酵素」「逸脱酵素」とも呼ばれて肝臓の中で起きている炎症の程度によって血液中に流れる量が変わります。
しかし、肝臓の炎症は治まっても、病変自体は進行している場合もあるので、GOT、GPTの値が正常値でも油断はできません。
また、最も多いのがγGTPの異常で、アルコール常飲者に高い数値を示すという特徴があります。
γGTPだけでなくALP、LAPは胆管系(胆汁の流出路)と関係が深く、その意味で「胆道系酵素」と総称されます。
何れも、胆汁の流れが悪くなり、血流に入る為に数値が高くなります。
γGTPは細胆管の状態を反映し、肝細胞が膨れて細胆管が圧迫されるような、アルコール性肝障害や薬剤性肝障害等で高くなりやすい性質があります。
薬、アルコール以外では脂肪肝等でも高くなります。
ALPは主に肝臓で作られ胆汁中に排泄されますが、肝炎や黄疸等があると値が高くなります。
TTTやZTTは慢性肝炎の状態が分かる検査です。ビリルビンは胆汁色素で黄疸の原因になり、肝臓の障害で数値が高くなります。
総蛋白、アルブミン、コリンエステラーゼの数値は肝臓が物を作り出す能力(合成能)を検査する指標になります。
しかし、これら数値が高くなるのは肝臓が末期的な状態になってからです。
というのも肝臓の予備力は大変大きく、80%なくても機能できるといわれているのです。
また、その他、肝臓病以外の検査で肝臓の状態を反映しうる検査として、総コレステロール、経□糖負荷試験、血小板数等が挙げられ、血液検査の比重がかなり高いのがみてとれます。
これらの、肝臓の状態を反映する血液検査を通常、「肝機能検査」と呼んでいるわけです。
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