うつ病と不眠病では必ずといってよい程不眠が起こります。
落ち込み感など、他の兆候があっても熟睡感と朝の爽快感があればうつでは無いといえる程です。
不眠には・入眠障害、・熟眠障害、・早朝覚醒、・多夢がありますが、うつ病ではどのパターンも多く、また混在してみられます。
とはいっても、うつ病による不眠で最も特徴的なのは早朝覚醒です。
夜中や早朝に目が覚めて眠れなくなるのですが、その時には抑うつ気分が強まり、自責の念等も起こりやすくなり、自殺の危険性が高まります。
睡眠不足を昼寝で補おうとしても、うつ病では昼間でも眠り難くなっている様です。
しかも、睡眠の質的な変化も起こっています。レム睡眠は大脳を活性化する眠り、ノンレム睡眠は脳を沈静化する眠りだといえ、実際、レム睡眠はノルアドレナリン、ノンレム睡眠にはセトロニンが関係しています。
健康な人ではレム睡眠がゆっくり現れ(90分~120分かけて)、朝になるに連れて長くなるのに、うつ病の不眠では、眠りに入った後レム睡眠が早く現れ(40分前後で)、睡眠前半に長く、後半に短くなる事が分かっています。
脳を沈静化してくれる眠りが不足し、いわば脳が過覚醒の状態に陥っているといえるのです。
つまりうつ病での不眠のベースにはこうした神経伝達物質の機能異常が眠りにも影響を与えていると考えられます。
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