うつ病になりやすい性格とは、几帳面、仕事熱心、堅実、律儀、責任感が強い、秩序志向等だといわれます。
これは執着気質といわれる性格ですが、ドイツのテレンバッハという精神病理学者はこうした性格に加えて、対人関係においても秩序志向や几帳面さが強く、他人に対して誠実で気を使い、衝突を避けるといった性格をメランコリー親和型としました。
うつ病になりやすい型の一つとして取り上げたものです。
しかし、このメランコリー親和型のタイプというのは多くの日本人にとっては望ましい、模範的とされている性格です。つまり日本の文化、社会構造、メンタリティーそのものがメランコリー親和型うつ病の病前性格を理想としているとも言えるわけです。
しかも管理が強化された社会ではメランコリー親和型の人にとっては過剰適応から適応破綻につながりやすいのです。
このメランコリー親和型うつ病では重症化すると自殺念慮も強くなりがちですが、抗うつ薬に反応ししや改善しやすいしやすいうつ病といえるようです。
一方、時代の流れで社会的規範が多様化する中、最近ではメランコリー親和型とは違う傾向のうつ病が注目されてきています。
過保護で葛藤のない養育過程や母子分離がなされないままに成長する等の自立不足による未熟的な逃避型抑うつの増加です。
自分に対する関心が大きく、病気に対する過度な気遣いをしたり、対人関係において過敏に反応しがちで、仕事にムラがあったりする事が特徴とみられています。
現実逃避的になり急に自殺を図ったりして周囲の人を困惑させたりします。
性格や環境の影響が大きく、依存や甘えが強い傾向があります。
長引く事が多くて抗うつ薬に反応しにくく、うつ病というより神経症に近いとみられています。
いずれにしても感情に関する障害は文化や社会状況と関係が深く、日本の文化的な特性という面から考える事も必要といえるでしょう。
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