カレーライスは今や日本の食卓には欠かせない定番メニューで、暑い国の食べ物らしく、食欲の落ちる夏特に8月に最も好んで食べられています。
日本のカレールウは約30種類のスパイスをブレンドし、小麦粉や油脂で固めたものです。
カレーの本場インドでは、人々が好みや習慣に合わせた独自のスパイス・ブレンドでカレーを作るので、いわゆるカレー粉という物は存在しません。
元々スバイスは伝承医学のアーユルヴェーダで薬として珍重されてきたもので、カレーの2~3割を占める黄色いターメリックは、ウコンの根茎を乾燥粉砕したもので、主成分の「クルクミン」に抗酸化作用があり、がんや腎不全・神経障害・動脈硬化の予防、肝機能を促進します。
更にクルクミンは腸管内でテトラヒドロクルクミンに変化して、強力な抗酸化作用を発揮し、生体防御の機能に優れているのです。
赤トウガラシに含まれる「カプサイシン」にはエネルギー代謝促逆効果があり、副腎髄質ホルモンのアドレナリンの分泌を促すので糖質や脂質の代謝が増進されます。
カプサイシンは中枢の温ニューロンと全身の温受容器を剌激し、また辛ければ辛いほど味覚性発汗の作用で反射的に血管が拡張して血流が良くなり汗が吹き出してきます。
ガーリックやクミン、コショウやコリアンダー、シナモンといったカレーに欠かせないスバイスにはそれぞれ、血栓防止・食欲増進・解毒・発汗・鎮咳・解熱・抗菌作用等の様々な薬効が知られ、これらスパイスの集合体であるカレーは病気の予防と対策にも役立っている様で、事実インドでは食遠がんや青がんが極めて少ないのです。
東大医学部の研究で、カレーを食べる前後の脳内の血流量を測定したところ、2~4%血流量が増える状態が持続しました。
これは血管拡張剤のニトログリセリン使用に匹敵する効果があるという事で、脳梗塞や血管性痴呆の心配がある高齢者にこそお薦めの食べ物なのです。
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