年をとると筋肉置が減るだけで無く、筋線維の構成が変化し、速筋が少なく、遅筋の割合が多くなります。
筋肉量が減るのは筋線維が失われるためで、残った筋線維を太くする事は出来ても、加齢による線維数の減少を止める事は出来ません。
脳細胞が死んで行くのと同様に筋線維を支配する脊髄から出ている運動ニューロンも変化し、死んで行きますが、するとその筋線維も死んで行くので筋線維の減少は止められないのです。
ただし運動ニューロンが死んでも別の運動ニューロンに支配される事があって、そうなればその筋線維は生き延びる事になります。
しかし、例えば本来は速筋である筋線維が遅筋を支配していたニューロンに支配される様になると遅筋的な刺激を受けるようになり、速筋が遅筋の様になっていくのです。
逆もまた真です。
ただ、速筋は遅筋に比べて萎縮する率が高いので速筋の方がより遅筋的になりやすいのです。
ところで、骨格筋には、遅筋と速筋それぞれを特徴づけているアイソフォーム(蛋白質の違い)をもっていますが、純粋な遅筋と速筋だけで無く、両方のアイソフォームを持つ筋線維がある事は分かっています。
若い人の場合はこの様な混在型の雌雄は少ないのですが、高齢者にはこの混在型の筋線維が多いのです。高齢者では遅筋線維の比率が多くなると言うよりも、むしろ遅筋と速筋の線維が厳密に分けられなくなっている筋線維が増えていると言えるでしょう。
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