リンパ浮腫の軽減

乳がんや子宮がん、前立腺がん等の手術で胱高やソケイ部のリンパ節を除去した為に、腕や脚のリンパ管の通り道が阻害されてむくむ、「リンパ浮腫」の後遺症で悩んでいる人が2万人以上と言われています。

リンパ液はバイパスを使って少しでも心臓に戻ろうとしますが、徐々に組織間隙の蛋白質濃度が高まり膠質浸透圧のバランスが崩れ、血管内の水分が引き付けられ、末端から浮腫が始まります。

進行すると蛋白質が変性、沈着して皮膚や組織は次第に硬くなり、体毛も硬くなってきます。この浮腫はマッサージ(リンパドレナージ)によって軽減効果が得られます。

一般の求心性マッサージとは異なり、中枢から行うのが原則です。患部にリンパ液が滞留しているので中枢側の滞るリンパ液を排液してリンパ液の通路を確保してから、末梢から中枢に向かってマッサージをします。

順番としては体内のリンパ液はリンパ輸送管を介して、頚静脈に入り心臓に注ぐので、頚部のマッサージからはじまり、次に胸腹部、腋窩またはソケイ部、次いで患部の腕は上腕→前腕→手指、脚は臀部→大腿→下腿→足指と中枢側からマッサージするのです。

また、蛋白質や脂肪が繊維化している場合は、揉みほぐす様なテクニックが必要になります。

浮腫が軽くなった状態を保つ為に弾性ストッキングや腕に装着する弾性スリーブなど外部からの圧を加える事も有効です。

合併症として浮腫から菌が入り込み、激しい炎症を起こす蜂窩織炎に注意が必要です。

鶴巻温泉治療院