肺塞栓症と言えば、話題に上るのが「エコノミークラス症候群」です。
湿度がほとんど無い陰圧にした飛行機内に長時間身動きの取れない状態でいると血栓が出来て肺に塞栓を引き起こす疾患です。
この様な特殊な条件下だけで無くこの肺塞栓症は高齢者に次第に増加している疾患です。
肺塞栓と言っても、血涙障害の程度は様々で血栓の大小によって無症状から突然死まで幅があります。
突然死の場合は、急激に肺の多数の血管が血栓、塞栓によって閉塞して、肺へ血液を送る右の心臓に強い負荷がかかり、急性の右心不全を起す為です。
肺塞栓症はほとんど下肢の深部静脈血栓症が引き金になっています。
その危険因子として肥満による血液粘度の上昇や凝固機転を発生させるストレスや糖尿病や煙草等による凝集粘着の亢進等があります。
更に、長期臥床や手術後に高率で発症する事が分かっています。
静脈血栓は血液がうっ帯する所に起こり易いので、うっ滞を解消する為のマッサージや軽い体操が非常に効果的です。
肺塞栓症は病院内の発症が多く、約60%は入院患者に起こっています。
しかし、今後は高齢化が一層進み、在宅介護が進む中で、病院外でのこの肺塞栓症が増えて行く事が予想されます。
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