筋肉両端の腱の骨付着部分を顕微鏡で拡大して見ると、まるで沢山の針の東が骨に突き刺さる様に食い込んでいます。
この形状は腱が筋肉の微妙な張力を骨に伝えるのに、腱線維1本1本の直径が小さければ小さいほど効率が良い為だからです。
また狭い範囲内で繋がる面積を広げ、総合力を強くする為でもあります。
筋肉は筋線維という細胞から出来ていてエネルギーを消費して収縮しますが、腱はコラーゲン緯線とその中に散在する線維細胞もしくは線維芽細胞からなり、強靭ですがほとんど収縮しません。
腱は栄養や酸素をあまり必要としないので、血痕の供給はほんの僅かで済みます。
ところで筋線維の束の幾つかが切れた状態が一般に肉離れと言われています。
急に走り出そうとした時に、ふくらはぎや大腿に激痛を伴い動かせ無くなる事があるのですが、原因は筋肉の一部が周りの筋との協調を無視して過剰に収縮して断裂してしまうからです。
筋線維は普通同じ高さで切れずに少しずつずれて切れるので、切れ口が解離すると言う事はありませんが、切れた部分では内出血を起こし後に炎症を起こします。
肉離れは手術を要する事はなく、安静にしていれば自然に治っていきますが、腱の断裂となるとそうはいきません。
腱は筋肉と違って線維が同じ高さで切れる事が多く、筋肉の収縮に引っ張られて断裂部が解離してしまうので、多くは手術をして繋ぎます。
運動会等でよく起こるアキレス腱断裂は、ウオーミングアップ不足か疲労による下腿三頭筋の異常収縮が原因です。
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