ホットフラッシュというのは更年期の不定愁訴の中でも最も多い症状で、更年期障害の人の7割にみられます。
突然起こる身体の熱感で、顔面、東部、上胸部などの中心部から末梢へ広がります。
持続時間は2~3分で、同時に汗をかく事が多いのですが、必ずしも発汗を伴う訳ではありません。
また回数も強さもまちまちです。更年期にはエストロゲンが減少しますが、その為にエストロゲンを増加させようとして下垂体機能が充進し、ゴナドトロピン(性腺刺激ホルモン)を沢山分泌するようになります。
こうした内分泌のバランスの混乱が自律神経系にも影響を与える事が原因とされています。
しかし最近では自律神経の末端から分泌される神経ホルモンの一つ(CGRP:カルシトニン遺伝子関連ペプチド)がホットフラッシュに関係していると言う事も分かってきました。
エストロゲンには血管の拡張維持の働きもあるのですが、エストロゲンの低下によって末梢の循環が悪くなって冷えとして感じられます。
するとCGRPが分泌過多になり反応しやすくなって今度はホットフラッシュとして感じられるのです。
つまりホットフラッシュと冷えはひとつの出来事の裏表として考えられる訳です。
ただし、ホットフラッシュや冷えを始めとする更年期の不定愁訴はエストロゲンの減少だけで説明出来る物では無く、心因的なストレスとも密接に関係しているので心身両面からの対処が必要です。
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