抗生物質のおかげで感染症は制圧されたかと思われた矢先、1968年のマールブルグ病以来、ラッサ熱やエボラ出血熱を始め、30種類以上もの新興感染症が発生しました。
最初に発生したのがアフリカ大陸等だった事でもわかるように、これらのほとんどが野生動物を宿主とする人獣共通感染症のウイルスによるものでした。
これまで未踏の地だった所まで人間が深く入り込み、また活動範囲も全地球的になった為、眠れる獅子を起こしてしまったというわけです。
しかも、先進国に棲んでいる野生動物も危険なウイルスなどを持っている事が分かってきて、人畜共通感染症は世界的な脅威となってきました。
日本では多くの野生動物がペットや実験用として輸入されていますが、1999年の感染症新法施行でサルのエボラ出血熟とマールブルグ病が検疫対象に、また狂犬病法の改正でネコ、キツネ、アライグマ、スカンク等が検疫対象になりました。
しかし実際はおびただしい種類と数の野生動物が輸入されており、それらはまったく野放しで、新しい感染症だけで無く狂犬病等、いつ発生してもおかしくないというのが今の日本の状態です。
本来、野生動物は飼わない、触れ無いという事が無用な危険を避ける事になります。
更にこれからは動物バイオテクノロジーの発達で、動物を利用して医薬品を作る事も多くなるとみられ、新たな人畜共通感染症の発生の可能性は少なくありません。
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