現在、降圧剤には働きかけるメカニズムによって4種類あります。高血圧の程度、高血圧のタイプ、患者さんの年齢、合併症の有無などで処方されています。最近では1日1回服用するタイプが主流になりつつあります。
○交感神経抑制薬
交感神経が興奮すると血管を収縮させ、血圧があがるので、その働きを遮断させて、血圧を下げる薬。
α遮断薬:血管の収縮に関与する神経のα受容体の作用を抑制させ、末梢血管を拡張させます。
β遮断薬:心臓にある心拍数を増やし、心拍出量を増加させるβ受容体の作用を抑制させ、血圧を下げます。
副作用 徐脈、だるさ、身体の冷え
○利尿薬
塩分等体内濃度が高くなると水分が血液中に引き込まれ、循環血液量が増加して血圧が上昇します。そこで腎臓に作用して、水分とナトリウムの排泄を促し、流量を減らし血圧を下げます。
副作用 脱水、低カリウム血症、高カリウム血症(カリウム保持性の利尿薬の場合)、光過敏性皮膚炎
○血管拡張薬
血管を拡張させて、末梢血管の抵抗性を減らして血圧を下げます。
カルシュウム拮抗薬:血管の収縮は血管平滑筋細胞内にCaが増加して起こります。その経路を閉じる事で血圧を下げます。また、脳や心臓、それぞれに腎臓などの血液循環も良くなりますので、日本では半数以上の患者さんに処方されています。
副作用 顔面紅潮、ほてり、頭痛、めまい、便秘、
グレープフルーツと一緒に飲むと下がり過ぎるので要注意
○レニンアンジオテンシン系抑制剤
肝臓、腎臓、血液中の酵素などのレニン・アンジオテンシン系の働きによる昇圧作用を抑制させ血圧を下げます。
ACE(アンジオテンシン変換酵素)阻害薬:ACEは血圧を上げる作用の途中の酵素でアンジオテンシンをⅠからⅡにする働きがあります。その酵素の働きを阻害する薬です。
副作用 重い副作用は無いが空咳、糖尿病の薬と併用は低血糖になりやすい(冷や汗、動悸)
アンジオテンシンⅡ拮抗薬:アンジオテンシンⅡが血管に作用するのを妨げる薬で、割と作用が穏やかで副作用が少ない
副作用 重い副作用は少ない
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