五臓六腑の機能の中で我々の意思で、モットモたやすくセルフコントロールできるのが肺臓の呼吸です。
ですから、呼吸法は世界の多くの養生法や健康法、リラクセーション法の中に採り入れられています。
特に、腹式呼吸は心身の調整の基本として、また宗教の修行の中にも見られます。腹式呼吸は筒単に言えば骨格筋由来である横隔膜の上下運動です。
その上下運動は横隔膜を貫いている消化管や大動静脈や迷走神経等を刺激して、かつ腹腔内をマッサージする事にもなります。
更に、腹式呼吸の特徴である深くてゆっくりした呼吸によるリラックス効果もあり、心身の調整になるのです。
また、アメリカの面白いデータがあるのですが、心臓発作に見まわれた患者に腹式呼吸法を日常的生活に取り入れる様に指導したところ、再び心臓発作になる確率が激減したそうです。
なぜ、横隔膜を使う呼吸が心臓発作を抑える事が出来たかは解剖学的にみると納得できます。
アメリカのアンドリュー・トーマス博士は心臓と横隔膜の関係について横隔膜が第二の心臓である根拠として次のような事を述べています。
心臓は横隔膜腱中心の真上にあり、心臓は心膜でしっかり横隔膜に結ばれています。その繋がっている部分は非常に広範囲に渡っています。
また、心臓は間接的に胸骨と首の下の関節に繋がっていますが、しっかり固定されている分けではありません。
横隔膜の上下運動は確実に、心臓に伝わる様になっています。
つまり、この構造から言える事は、腹式呼吸による横隔膜の上下運動は、その度に心臓をマッサージする効果があるという事になります。
心臓疾患や発作の危険性を持った患者さんはかなりいると思います。
ですから、心臓のセルフコントロールの手段として、腹式呼吸を指導する事は大切なのです。
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