様々なカウンセリングの中で、どのカウンセリングでも重視されているのが“共感"という事です。
共感とは相手の気持ちと同じ様な感情を持つ事ですが、実はこれが生やさしい事ではありません。
特に先生と患者さんと言う関係の中で、例えば患者さんがその病気の元になっている行為(過食や喫煙、運動不足等)を変える必要がある場合でも、先生が良かれと思ってする助言等も、一方通行になりがちです。
しかし患者さんの心が癒され先生に対して心を開くには共感してもらった事による心理的な安心感がベースになります。
とは言っても、先生が患者さんに対して共感しようと努めても、どうしてもまず診断や評価、解釈、分析をしたくなって性急に意見を言いがちになります。
また必ずしも相手に共感出来ない場合には、先生の心にブロッキング現象が起こります。
ブロッキング現象とは、会話しているのに相手から気持ちがそれ、他の用事や時間が気になったり、不快になったり、怒りを感じる等、相手に対して拒否的な心の状態になる事です。
先生は相手の話を聞く時には、とりあえず自分の考えや思いを意識的に脇に置いてブロッキングが起こら無い様に心がけなければなりません。
ブロッキングする事無く患者さんの言葉を根気よく傾聴し、相手の言葉のポイントを共感的に繰り返したり自分なりに要約して、共感していると言う事を患者さんに伝えます。共感されていると言う気持ちが伝わる事で、患者さん自身が抱えている問題に自分で気付く様になるのです。
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