不安惑や恐怖感に襲われる「パニック障害」は不安神経症として扱われ、精神分析や心理療法の領域で医療行為が行われていましたが治癒の難しいものでした。しかし、脳の生理学的研究の進歩により、その発作の起こるメカニズムが脳内物質と脳の機能障害によってもたらされる事が明らかにされ、それにより抗不安薬を使う方法により劇的に効果が上がる様になりました。この不安・恐怖と言えば、感情ホルモンという言い方もあるノルアドレナリンなどの神経伝達物質や間脳の青班核や視床下部が深く関与している事は知られてしました。またホルモン系ではコレシストキニンの存在が明らかになったのです。元々コレスシストキニンは胃腸管系ホルモンで、小腸粘膜から分泌され胆のうの収縮や膵液の分泌のホルモンとして知られていましたが、脳にも存在して神経伝達に関係している事が分かった、脳一腸管ペプチドのホルモンです。実験でこれを投与した被験者は「不愉快な感情から始まる不安感」や「世界が没落する感じ、腹部の不快感、嫌な味、更にパニック障害そっくりの発作を起こしたのです。正に古代ギリシャ医学の体液論でいう不安や憂鬱な気質の「黒胆汁質」は、このコレスシストキニンとノルアドレナリンの分泌異常の体質かもしれません。
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