運動会等でつい頑張ってしまって、アキレス腱を切る場合があります。アキレス腱は人体最大の腱で、腓腹筋とヒラメ筋の収縮する力を踵に伝えます。腱中にはゴルジ腱器官があって筋肉が伸ばされるとその張力を感知し、連動神経の興奮をコントロールします。アキレス腱を伸ばすとこむらがえりが改善するのはこの器官の働きです。アキレス腱は人体中もっとも切れやすい腱ですが、10代20代で切れることはまれで、中年になり腱線維分離弾性を失い始め、体重増も手伝っていっそう腱に負担をかけ、切れやすくなります。腱が切れるのはジャンプや全力疾走時だけではなく、ジャンプの離陸時よりも着地時に切れる場合があります。切れた瞬間は「バン」「ブツ」とにぶい音がして、やってしまったと感じます。骨の付帯部から、3~4センチ上でよく切れ、激痛がしてつま先立ちができなくなります。診断には、ふくらはぎを強くつかんで、まだ腱がつながっていれば足度方向に10度屈曲しますが、断裂ではまったくそれが無いので分かります。腱に陥凹部が出来る事もあります。医療行為はギプスをはめる保存療法、皮膚の上から細いワイヤで縫う経皮的校合法、皮内を切開して断端を糸で縫い合わせる手術法の3つがあります。柔道整復の保存療法は、膝を90度曲げ足首を低屈した姿勢で膝の下から足先までギプス固定し、その後足首運動を行つて、計3ケ月位で腱の断裂部は結合線維で繋がります。手術の跡ができないので女性に勧められます。スポーツ選手の場合は負荷が強くかかるので再び切れないように手術を行います。
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