天気と身体の関係

東洋医学では日、月、季節による身体の変化を陰陽五行で説明していますし、昔の人は様々な疾患が天気と関係している事を経験的に知っていました。現在この気象の変化が身体に及ぼす影響は学問的に研究されていて気象医学というジヤンルになっています。例えば、フェーン現象の時は、情緒が不安定になり易く、労働災害や交通事故が起こり易いとか、移動性高気圧が喘息の発作を誘発する等が分かっています。最近明らかになった興味深いものに、免疫系の白血球のリンパ球と顆粒球と気圧の関係があります。これは新潟県立坂町病院の福田先生が、2年に渡り虫垂炎の手術をした112人の患者さんと天気の関係を記録し分析した所、低気圧の時の虫垂炎は軽症で、高気圧の時は重症例が目立つ結果が出たと言うものです。血液データを見ると、高気圧の時はリンパ球が減少して顆粒球が増加していました。更に新潟大医学部の安保教授グループらが気圧と血液との関係以外に、呼吸数と脈拍の変動とも関連付けて研究した結果、呼吸と脈拍は高気圧では高まり、低気圧では低下していたのです。この反応には自律神経が当然関与しています。更にリンパ球と頼粒球を調べると、リンパ球には副交感神経の刺激物質アセチルコリンの受容体があり、類粒球は交感神経のアドレナリン受容体を持っていたのです。正に、神経系と免疫系が協同して天気に対応していたのです。しかし、気圧の変動で何故このシステムが働くかは、確定されていません。

鶴巻温泉治療院