加齢により身体は小さく縮んできますが、肝臓など他の臓器と比べれば脳の萎縮の割合は大きいものでは有りません。
とは言え、加齢に伴って神経細胞は脱落して脳は縮んで来ます。
高齢になると確実に増えるアルツハイマー病の脳は脳の萎縮、脳への老人斑の沈着、神経原線継の変化が特徴ですが、それらは痴呆の無い老人の脳にも認められる物です。
では病気とは違う脳の生理的老化とはどの様な物なのでしょう。
一言でいえば生理的な脳の老化はバランスを保っていると言う事です。
例えばパーキンソン病では黒質と呼ばれる部分の色素を持った神経が異常に脱落していって、色素を持たない神経とのバランスを壊して行きます。
さて、大脳皮質は脳の中でも萎縮度が大きい場所で、神経細胞が20代の半分になってしまう部分もあります。
この大脳皮質は6層になって一つの単位を作っていますが、生理的な老化の場合、全体に萎縮していてもこの6層が保たれているのに対して痴呆の場合には例えば第2層と3層の神経細胞だけが崩れてしまう等、バランスが壊れてしまうのです。
つまり、脳が萎縮するにしてもあくまでも全体のバランスは保たれているのが正常な脳の老化と言えます。
また、脳と言っても大きく大脳・小脳・脳幹とありますが、老化に伴う萎緯度は違います。
大脳の萎縮度が一番大きく、脳幹と小脳は大脳ほどではありません。生命維持に必要な部分、つまり原始的な部分は萎縮が少ないのです。
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