人間の体内には多くの水分が貯留されていますが、その比率は年齢によってかなり変化します。
新生児ではおよそ80%が水分ですが、成人男性で60~65%です。女性は男性に比べ体脂肪が多い為、55~60%位になり、70歳以上の老人になると水分は50%にまで減ってしまいます。
これらの総水分は細胞の中(細胞内液一筋肉や臓器など)と細胞の外(細胞外液一血液やリンパ液や間質液等)に分けられますが、3分の2は細胞内に存在します。
老化が進むと筋肉や臓器等が萎縮して細胞の絶対数も減り、細胞内水分の量がかなり減ります。
もちろん血液や同質液も減少するのですが、細胞内液の減少が著しいのです。
ところで20歳の男性の体脂肪率は平均15%なのに比べ、75歳女性の体脂肪率は平均30%もあります。
これは体脂肪が多いという訳ではなく、細胞内の水分が失われた為相対的に脂肪の割合が多くなってしまう訳です。
高齢者は体脂肪その物や骨量も減って体重が軽くなっているのですが、水分の減少はよりいっそう激しいのです。
特に寝たきり老人の場合、本人が渇きを訴えられなかったり、または本人自身が渇いている事を自覚していない事も多いので、周囲は脱水症に注意する必要があります。
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